脳梗塞の経緯3
夜中に何度も目が覚めた。
また手が動かない。
足も動きが鈍い。
何度も手足を動かした。
お医者さん曰く、
「症状がどこで安定するかはわかりませんが、今より進行する場合もあります。」
えぇっ ? !まじですか?
進行したらやだなあと思いつつも、疲れてとうとう眠ってしまった。
目が覚めた。
体は動かない。
左半身が麻痺してる。そんな状態。
動かせないけど、触覚はある。
これは右脳運動野がやられたかな?なんて専門でも何でも無いクセに、過去に読んだ脳地図の知識で考える。
小学校5年の時に、じいちゃんの蔵書から読んだ「人間の心理学」という本にあったのだ。つまり、数十年前の知識である。
知識は、劣化する。当時の最新は、新たな知見で書き換えられている可能性もある。でも、こんな知識はあってもなくても現状にさしたる変化は及ぼさないので、自分の認識に使うのにとどめる分には、問題は無い。
上の子が連絡をくれた。彼は丸亀製麺で働いている。かなりブラックらしい。バイトが正社員のように働かされている。
僕も言えた義理では無い。かなりブラックな職場にいた。
やめて良かったです。
と、笑顔でいい切れるぐらいにはブラックだった。
きちんと喋れない。
声がうまく出せなくてかすれる。
リハビリの人が、左側を何回かマッサージもしてくれた。気持ちいい。
これ毎日だったら天国なのになって思った。
左手の感覚は、夜に点滴が始まったら元に戻った。
あ、動く。麻痺していた半身は、オザグレルナトリウムの点滴であっという間に良くなった。声も普通に出せる。
でも全身管でベッドに縫い付けられてる僕は、起き上がれない。
手と足を交互に上に挙げて、右との違いを確かめる。
良かったー。そう思って眠りについた。
夕方3時か4時。
ふっと目が覚めて、昼に寝てたのに気づく。安心したら寝ちゃったんだっけ?
手を動かそうとして、またおかしいのに気づく。
はれ?
また動かせない。声も出しにくくなっちゃってるよ。
上に目をやると、もう点滴がなくなってる。何回か点滴を交換して、このオザグレルってやつが入ると劇的に改善するとわかった。
そして切れるとすぐに悪くなる。切れるたびに症状が悪化していく気がして怖くなる。
僕は携帯で薬について調べた。
へえ。日本以外では使われていない時代遅れな薬なんだ。
日本って、こういうとこあるよね。変な場所でガラパゴスだったり。他の国から一周遅れてクソシステムを導入したり。マイナンバーとか、水道法とかね。
でも僕には劇的に効いてるから一概に言い切ることもないのでは?
・・・これは2週間しかつかえない薬なのか。
それまでに治るといいな。
朝と夜にオザグレルが入る。その時だけ調子がいい。
調子が劇的に崩れるのは夜。それも10時から11時。この時に何かスイッチでも入ったみたいに急に具合が悪くなる。喘息もでる。
スイッチ。
この時間のスイッチといえば、交感神経だな。まさか副交感神経と連動してる?
そういえば、最初の麻痺も喘息が出てた。
喘息と一緒に、麻痺するって何だ?聞いたことないぞそんな症状。
・・僕は夜中に携帯で調べまくった。半身は麻痺したまま。
そういえば、喘息はともかく、脳梗塞を起こす降圧剤があったな?
確かアーチスト。僕の持ってるフルートと同じ名前。生意気にも総銀製なんか買ってしまった。でも、この薬は確か、最初の医者と相談した時、副作用に脳梗塞てのがあってやめたやつだ。
医者を変えて、薬も変わって、名前がカルベジロールとかいうのに変わっていたからわからなかった。
今思うと、一番患者に寄り添ってたな、大久保病院のあの医者が。
羽生病院の医者は、医者同士で仲の悪いのはいるし、看護婦との連携は悪いし、薬の副作用は認めないしで、もう困った困った。
同室の別の患者さんもかなり愚痴ってた。ここは酷いと。
僕の感想も近い。ワースト1は中田病院だけどね。
まあ、長年思うようにいかない病気と付き合ってれば、医者がクソに見えてくるのは仕方がない。でも、ここはまだ出来たばかりで最適化されてないだけかもしれない。
そう思って、とりま薬剤の話を伝えようとする。なかなか伝わらない。
何度も酸素が外れて、直される。いやこれいらないから。
何度説明してもわからない。
医者が来た時に話したら、外してる間に酸素が低下しても知らないよ。と言われてしまった。ゔ、そう言われると抵抗できない。
でもでも。念のためですぐ外れるようなこと言ってたはずじゃん。
出てるのも1で最低ラインだし。
で、ふっと元栓を見ると、外れてる。
何?
最初から外れてるってことは、ただ管だけつけてたってこと?
酸素は出てなくって、注意されてた自分がバカみたいだ。
で、その話も含めて看護婦さんに話すと、医者じゃないと判断できないから待っててと言われた。なんか縦社会だなぁ。
で。お昼ご飯中に、目の前の患者さんがもめてる。トイレが出ない。利尿剤が効かないと。で、オムツして、利尿剤点滴で入れて、しばらく様子見ましょうねなんて行ってしまった。そしたらしばらくして、ナースコール押してる。おばあさんがトイレ行きたいって訴えたら、看護婦さんが、
「オムツしてるから、そのまましていいよ。」
「でもたくさん出るから。」
「いいからしてね。」
しばらくして、4人部屋全体に凄まじい尿臭が。
そりゃそうだろ。何日も出てなかったんだし。ここで飯を食えと?
どうやらオムツでは受け止めきれず、ベッドまでいってしまったらしい。
これはおばあさん、患者さんの言ってたことが正しかったな。
ホテルのように綺麗な建物。内装もホテル並み。でも、ホスピタリティは残念だった。
で、酸素の管はいらないって。そうだろうよ。
なんでも別の患者さんと間違えてたらしい。救急対応の医師だからって、えーそれでいいの?
オザグレルってこれ、増やせないんですか?って聞いたら、1日2回までと。やっぱダメか。説明書通りに使うよな、そうだよな。
なんか看護婦の上に医師がいて、そのに上に製薬会社がいるような構図が見えた。
薬屋が一番偉いのか。さすが。すげえな731部隊。本当かどうか知らんけど。
で、飲んでた降圧剤はカルベジロール。
アーチストと同じ薬で名前だけ違うの。なんで同じ薬で名前全然違うん?
アンジオテンシン変換酵素阻害薬のアルファ・ベータブロッカー。
つまり、脳梗塞を起こす可能性がある薬ってこと。
喘息も起こすと書いてある。勿論この情報は患者がもらう薬剤情報には載ってない。ネットで薬剤名を検索して出てくる情報だ。
この情報でピンときた。
これは副作用だ、と。
だから、喘息と一緒に症状が出た。
わかるわけないじゃんか。
朝飲んだ薬の副作用で夜喘息になるなんてさ。
だから夜になると麻痺のスイッチも入るのか。
なので、飲んでる薬からカルベジロールを止めてもらった。喘息が出ます言って。
でも、まだ麻痺が出たのだ。
なんだよ。これが原因じゃなかったのか?両方の可能性を、再び洗い出してみる。
そうしながらも、水を大量に飲めば、麻痺も起きにくいということがわかってきた。
どうにか歩けるようにはなる。
喋れないのと、手がぎこちない。
しかし、水を大量摂取するというのは、ちときつい。なんかないか。
けど、ここで疑問が出る。
カルベジロール。
このカルシウムを添加した野菜ロールケーキみたいな、生協あたりで売ってそうな、いけてない商品名のような薬。
こいつの代謝は12時間だ。
つまり、1日抜けば、薬効も副作用も治るはずなのだ。
もう一度、クスリの項目を仔細にネットで調べてる。
酸化ナノチタン。
添加物にそう書いてあった。
何だと。
金属の中には、血液脳関門をすり抜け、脳内に溜まって悪さをする物質があることをご存知だろうか?
重金属や軽金属、アルコールや麻薬の一種など、ろくなもんじゃない。
ガバガバじゃんかよ、脳関門。
で、アルミや有機水銀のように、チタンが脳にたまる可能性を調べた。
チタンは安全性が高いとされている物質だ。そのような可能性は低いとも考えられた。
すると、ナノチタンが人間の脳に入り引っかかるという記事がある。NASAの記事だ。
な、ナンダッテー。
今の自分の状況を推察するに、薬の中のナノチタン?が、脳内で引っかかって、副交感神経のスイッチで連動して麻痺が起こると。
そう推測はできないか。
チタンは金属だ。一応ダメ元で、キレーションをしてみようと考える。
キレーション。
血管内に大量のビタミンを流し、体内の重金属などを流してしまうこと。有害なものも有用なものも。
キッシンジャーとか偉い人たちが、アメリカで核施設を視察した時に、体内の放射性物質を流すために受けていたやつ。
それか、ある程度の量カフェインを摂り、わざと副交感神経を乱し、スイッチをダメにすること。
この二つの手法が、考えついた。
どちらにしよう?
そもそもカフェインはともかく、どうやってキレーションしよう?
まともな病院ではやっていないことも知ってる。
どういうわけか、日本では医者がやってない。
美容とかオカルト疑似科学の怪しいクリニックとかぐらいだ。
とりあえず、歩いて自販機までたどり着き、コーヒーを買う。なるべく強いやつな。
そして、他には・・・!な、あるじゃないか!!最強のブツが!!!
その名も、キレートレモン!!!!
しかも、カフェイン入り!
なんだこれ一本でいいじゃんかよー。まずはカフェインで試してみよう。
ビタミンCは、どこかで手に入れば、なんて考えは吹っ飛んだ。
どちらかずつ試すのが、正しい実験なのはわかっている。が、そんな余裕は僕にはなかった。これが効くかどうかの実験になっちゃうな。まあいいや、飲んでみよう。
とりあえず二本、飲んでみた。
その日の夜。
麻痺は起こらなかった。
少してがしびれて、ろれつがおかしくなったけど、連日の半身動かなくなる恐怖は、夜の10時を過ぎても訪れない。カフェインで交感神経が狂ってるのかもしれないけど、12時まで待っても大丈夫だ。とりあえず、寝れる。
目が覚めた。朝だ。
麻痺は進行してない !
やった。
可能性はどれだろう?
1. ビタミンC
2. カフェイン
3. 何もしなくても今日治るはずだった。
4. 複合作用
うーん。3だったら、かなり残念だ。でも、検証できないからなぁ。
とりあえず、コーヒーだけで今夜は試す。
熱が出た。
原因は不明。
風邪でもない。ただ寒気がして体が辛い。
好転反応とかいう都市伝説かもしれない。
体にあった重金属の毒素なんかを、ビタミンCが流してはき出すと、排泄係の腎臓や肝臓の負担が上がって熱が出るとかいうVC信者の話。信じたくない。論拠が薄いと思っていたが、まさかそういうこと?
麻痺は進行してない。
ようやくホッとして朝の缶コーヒーなんてキメたせいか?
甘かったしな、アレ。
あと前ほどではないけど、不定期でなんか調子が悪い。
特にクエン酸。
これ摂取した後が悪くなる。
?
意味不明だ。
まあ、何か僕の知識の外のことが起きたんだろう。クエン酸は調子悪くて、アスコルビン酸はおけ?どういうことじゃん?
酢酸はどうだろう? さすがに自販機はそこまで充実してない。
ここで問題発生!
自販機のキレートレモンが売り切れ、だと?!
もはや医者の出す薬よりも信頼してる(ww)ジュースがなくなって不安になる。
VCは、オザグレル並みに効くんだもん。
以前ほどではないが1日抜くと、やっぱり調子が悪い。これ気のせいではなく本当に手が動かないからわかりやすい。しかし、本当に脳からは減少できたのか、夜中の麻痺は軽快したままだ。そんなにひどくはならない。
ごめんよキレーションて、本当に効果あったんだねぇ。半信半疑だったよいままで。
しかし困ったね、売り切れとは。看護婦さんに相談したけど、いつ入るかはわからないか。
いやまじで他に自販機ねぇの?・・・他の患者さんが休憩室で家族と話してる。「・・・下のコンビニでさぁ・・買ってきてよ。」
何?!下にコンビニがある?!そういえばあったな忘れてた俺のバカ!!
しかし、行けるだろうか?・・・聞いてみたらあっさり許可が取れた。なんでも聞いてみるものですね。嫌だね年取ると図々しくなっちゃって。
下のコンビニに降りる許可とって、キレートレモン2種と黒酢ドリンクなるものを購入。
看護婦さんに
「勝手に食べ物買ったらだめよー。」と言われる。
首肯いとく。
チッ、バレたか。
もっとも、それは考えただけ。食欲は本当に何故か、わかない。
脳のその部分が壊れたのだろうか?
空腹は感じるけど、食欲に繋がらない。痛くなるような胃の空腹感は、ない。
原因は今回の病気のせいか、薬のアスピリンのせいか。どっちだ?
退屈で悪さしたいという甘美な誘惑ぐらいしかないから、看護婦さんに隠れて飲み食いするなんていう不埒な悪行は実行には至らない。
食べても気づかれないだろうな、ここの管理なら。
何となれば家に帰ることもできそうだ。他の患者が通った時に、なんども通ってるし。全然怪しまれないお。
黒酢入り。酢だけとかなかった。まあ、ないよな。うん、期待はしてなかったからいいや。
乳酸とかどうだろう?
カルピスまで手を出す気にはなれなかったから、黒酢と上で売り切れてたキレートレモンを購入して部屋に戻った。
いろいろ試して、黒酢は微妙。やっぱりキレートレモンの最初のやつがいいかと思ってまた試したけど、一度流したものはもう流れてるのか、大した変化はない。
そなるとこの麻痺は、脳神経のニューロンが結構死滅したせいで起こってるのかな?
じゃあ後は、リハビリだけだねうん。
確かVCは血管壁も丈夫にするらしいから、時々飲んでおこう。まあ、悪いものではないからな。あぁ、とうとう僕もVC信者かよ。ヤダヤダ。いや、これは信じて頼ってるのではなく、便利かもしれないから使ってるだけだ。決して盲信してなどいない。きっとまだ大丈夫・・・。
酵素と摂取するといいらしい。VCを錠で飲んでも吸収されにくいと記述がある。ばかばかしいような気もするけど、ネットで栄養士かなんかが、りんごでとった方が吸収がいいからと、天然VCをお勧めしてる。その実験、追試験した?VCの人口も天然の微生物かなんかに作らせてるんじゃなかったっけ?
りんごでとった方が酵素があって、吸収が違うってのはなんか説得力が薄い気がする。
同じ健康サイトで、酵素は摂取しても意味がないと、胃液で壊れるから関係ないって書いてある。どっちなんだ。統一しろよライター。だからネットの知識は今ひとつ胡散臭さが出るんだよ。しょうがない。可能性を探る。
もしかしたら、りんごの別の要素がVC吸収にコミットしてるのかもしれない。知らないけど。そう。どうせ僕はわかんない。ちょっと知識を得たぐらいで、なんでも知ってるつもりになるのが一番いけない。常に事実に謙虚でなければ。
つまり、こうすればいいんじゃね?
りんごを食べる時、一緒に錠剤も飲む。錠剤の基材が悪影響で阻害しない限りは、これで錠剤のVCも吸収が良くなるのではないか?俺って天才。
小麦粉を少量摂取して、腸管に穴を開けとけば体内に直接VCが流れ込んでさらに効果が上がるかも?あ、そん時はりんごは無しで。
アレルギー持ちは多分知識として持ってるだろうが、小麦は腸管に微細な穴を開け、そこから体内に食物のタンパク質が侵入してアレルゲンになり、劇症化を起こす。
だから、きっとVCだって同じ原理で体内に入れるはずだ。
他のアレルゲンたんぱく質を過剰摂取しないよう気をつけてやれば大丈夫、なはず。
VCはアレルギーを鎮める作用もあることだし、期待する。
どちらにしても、入院中は試せないな。
それと別口で、脳細胞が増やせるって前にテレビでみのもんたが言ってたのを思い出す。僕としてはちょびっとでも増えて欲しいところ。成人後は1日に何万個も死んでくって言ってたしな。僕の乏しい脳神経シナプスを少しでも増やしていければ、バカが減るかもしれないし。ま、脳って、ニューロンのシナプスが密になってることが重要で、あまり新規雇用を増やしても意味は薄い気がするけど。大脳新皮質が1ミリしかない天才もいたし。でもまあ下地にはなるだろう。
退院後、脳神経 増えるで検索してみると、外国の人が結構そういった報告をしてることがわかった。TEDなんかがわかりやすい。
と、いうわけで、入院した僕はこれまでの知識とネットを総動員したのさ。
いやぁ、忙しい入院だった。
できなくなったこと。
マジック。これは入院中に練習してまたできるようになった。80%位回復。
ピアノ。左が力入んない。
フルート。左手が動かないのと、アンブシュアが作れない。息が続かない。
イラスト。お菓子食ったのは左手なのに、なぜか右でもよく描けなくなった。
大きな声を出す。ももとコミュ症なのに、しゃべれなくなってなおさら。
きちんと音をとって歌う。もともと音痴なのにひどくなった。
ハリのある声で話す。パンダのたからもの。
ジャンプ。飛べない。
スキップ。こけそうになる。40すぎて何がスキップだよなんて言わない。
結論。
羽生病院より、久喜総合病院の方がリハビリも術式も充実してた。
脳梗塞で倒れたら、行くべきなのは久喜総合病院。リハビリも充実してる。
羽生病院は、歩くまでしかリハしてくんないけど、日常の動作でカバーしてくれる久喜は年寄りがポンコツにならないからいいと思う。歩けるだけじゃダメよ、絶対。
驚いたのは、リハの人が羽生で、ジャンプできないんですって言ったら、生活でしないからいいでしょみたいに言ったこと。とっさの動きができないってことよ?それってかなり危ないでしょ。
以上、脳梗塞になった時のお話でした。
反省。
医者はむやみに変えない方が良かったかもしんない。
最初の医者が一番良かった。薬変えなかったら脳梗塞にならなかったかも?
でも、変えなきゃわかんないしなー。
患者の話聞かない医者はダメ。