時航船

気まぐれに思った事を、時系列も気ままに書いてみる。

脳梗塞の経緯2

朝、起きたら、起きれなかった。

左手がよく動かせない。左足もおかしい。

自分の右手で左手を持ち上げる。変な感覚。触ってる感覚、触られてる感覚はある。

なのに動かせない。まるで荷物のように。

筋が突っ張ってるのかと思い、伸ばしてみる。

そこで下の子が降りてきて、開口一番、

「面白いカッコしてるね。」

揉んでもらっても一向に良くならない。

これは、あれだな。やばいやつかもしんないな。

意識があるうちに救急車を呼んだ方が良いかも知んない。

で、電話の前に座って立てない自分。

「大丈夫?」

さすがに心配そう。ちなみに上の子はまだ寝てる。

「だいじょばない」

そう言って電話を取ってもらい、119だけ押してもらって受話器はこちらに。このヒッキーめ。

救急車に昨日の経緯まで伝えたところで喋りにくい。黙ってしまったこちらを気遣って、電話の人が、すぐに向かわせますから。と、住所もロクに説明せず、番地だけで来てくれるそうだ。

グーグルか。

でもあれで映る自宅はうちじゃないんだよな。なんて思いながら、入院に保険証など準備・・。無理。

なんとか財布と保険証を持って、鞄に詰め歩く。なんとかまだ歩ける。っていうか、これくらいしっかり歩けてれば大丈夫かも?ちょっと見てもらってすぐ帰れば大丈夫かな?

まだここでも僕は少し楽観してた。病院行けば、症状は良くなると思ってたから。

お医者さんが、なんとかしてくれるだろ。

よくわからないけど、多分。

上の子を階段の下から大声で呼ぶ。

「◉✖️⭐︎□♢♣️ー!!」

ちゃんと発音できない。でもとりあえず叫ぶ。

下の子に、上の子に経緯を説明してもらうことにして、僕は救急車へ。

しばらくして、血圧やら心電図、酸素計などを指に挟まれた。

昨日は上の子を夜遅くまで使ってしまったから、今日は寝てて使えない。

下の子は、仕方がないから同乗してくれるそうだ。大丈夫だろうか?

彼は、家から出ない人だ。

昨日の病院に行った経緯を話し、救急隊の人にそこが主治医ですか?と、聞かれる。

実は、紆余曲折があって、最近病院を変えたのだ。

会社の人から、加須にはいい病院がないから、羽生の方がいいよって。

僕は、羽生病院にお願いします、と言って、救急車は発車した。

下の子は乙女座のA型。面倒くさい事をチマチマ時にする細かい男だ。そのくせ、そんなのいいじゃんって無理に引っ張ると、後で脇について数時間文句を言われるのだ。

グチグチぐちぐちと。

僕はこの人のこう、腐った沼に足突っ込んじゃったみたいな感じが苦手だ。

めっちゃ相性が悪い。彼は僕の場当たり的な無計画に辟易してる。

 気まずい。後で何を言われるか。

「いいの?」

「仕方ないよ」

そんな会話をしながら、下の子はどうやって帰るのかな?なんて思ってた。

病院に着いたら、昨日西山救急病院にかかったなら、そっちからデータ送ってもらって、などとやっていた。どうやら登録がない僕は、データの共有ができないらしい。

とねっと入ってないぞ。よくわかんないからそのままだアレ。

で、西山に連絡がつかないからこっちでもCTとるんだと。

昨日と同じコースを一通りやって、今度は異常が出たらしい。

脳梗塞

どうすんのかな?どうなるのかな?

手と足は左半分が動いたり動かなくなったり。症状を繰り返した。

今日はこのまま入院です。と言われ、下の子は帰ることに。

だいぶ不安そう。昼間外に出るような人間ではないのだ。彼は。

以前、不登校の時に、なんで昼にこんなところを歩いてるのかと大人に質問され、それが怖かったらしく、彼は大きくなっても出歩かなくなってしまった。彼に昼、外でエンカウントすることは稀だ。

レア度はまさにブルーアイズ級。見た目はオーガーだけどね。

電車なんてほとんど乗れない。N校にスクーリングするぐらいだ。それだって最初は僕が付き合った。その後も蓮田まで送り迎えした。その彼が、隣町まで来てしまったのだ。

まず、近くに電車があるかも知らない。最悪タクシーで帰ってもらおう。しかし、彼はコミュ症だ。見知らぬ人と会話などできない。

手塩にかけた子供達はとんだ役立たずだが、心は優しい。

しばらく一緒にいてくれた。

夕方近くなって、僕が帰れるか聞くと、

「まあなんとかなるでしょ」

と、不安そうに頷いて帰って行った。

症状は安定して動かない。ノダルボンと、オザグレルナトリウムを点滴してもらう。

エダノンみたいな名前。もう一本、ちっちゃい点滴が注射器で入る。

「こっちは?」

血栓を溶かす薬です。」

ふーん。

こっちの薬は、管が元から抜けて、何度も血が逆流して厄介だった。血栓を溶かす薬とか言うわりに、僕の逆流した血が螺旋状に中で固まってしまって何度か管ごと交換するハメになった。

酸素は97%。念のため酸素入れときましょうね。と、酸素の管も。

導尿しますね。と言って個人的な場所まで脱がされて、毛をハサミでちょん切られた。ぐすん。子供を産んだ時も色々縫われたりしたけどさ。精神的にきつい。管が体にたくさん付けられた状態。なんだこれ。まるで重病患者だよ。

しばらくして、手が動くようになった。うん。無症状。これならすぐに帰れるかも。

 

僕の見通しは甘かった。